児玉清さんが逝った。
前々回日本に帰ったときにテレビで見かけたときに、少し痩せたんじゃないなんて母と話していたのがブラウン管で見た最後だろうか。
児玉さんといえば、『アタック25』。あの名司会ぶりは名人芸の域だった。
今だから言えるが、高校時代に自分の雑学の知識を試したく『アタック25』の回答者募集に応募したことがある。テレビ局からの何の音沙汰も無かったので、はがき選考で漏れたのかもしれない。そもそも、高校生が応募できたのか、そのあたりからして怪しいものだ。
アタック25での児玉さんは、知性がにじみ出て、やさしさとシャープさの入り混じったなんとも素敵なおじさんだった。学習院大卒というのもうなずける品の良さ、何かほかの俳優さんと居住まいが違った。
福岡の人間にしてみれば、ローカルタレントに過ぎなかった博多華丸・大吉の出世のきっかけともなった有難い存在だ。ちょっと無理があるかもしれないが、今の局アナさんではなく(見たことはないが)博多華丸が二代目継承って線は無いのだろうか。テレビ界では、『ルパン三世』のアフレコを、名人山田康雄の後を襲って、その物まねをレパートリーしていた栗田貫一が二代目を襲名した前例(?)もあるわけで、話題性も十分だし、ぜひ検討してみてはいかがだろうか。
近年の児玉さんの活躍では、久々の大河ドラマ出演となった『龍馬伝』で龍馬の父・坂本八平役がやはり印象的だった。遅くに出来た息子龍馬を見守る父の愛を心に響く演技で演じていたが、思えばそのときの病に伏したシーンなどがかなり真に迫るものだったのだが、その頃から体調は万全ではなかったのだろうか。
児玉清、好きな俳優さんがまた一人、鬼籍に入った。
日ごろ、追悼文なんて書かないのだが、今回は何か書きたいと思った。私個人としてはそれくらいに惜しい人をなくしたと感じている。
アタックチャンスは二度とない、今となればあの司会で回答席にぜひ座ってみたかった。
心より、児玉清さんのご冥福をお祈りいたします。
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