不肖アルベルト、ジュリア・ギラード豪首相、そして天皇皇后両陛下。
不肖の身を、豪首相はともかくとして両陛下と同列に並べるなどという身の程をわきまえぬことを謝した上で、本題に入る。
じつは、この三者(厳密に言えば4人)共通項がある。
畏れ多くも両陛下と共通項とは身の程知らなさにも程がある、と言われかねないのは承知しているが、共通項はあるのだから、もう少し書き進めさせてほしい。
東日本大震災の甚大な被害地域として報道にも多く取り上げられる宮城県南三陸町。
私は、そこを4月13日に訪れ、取材活動を行い、色々な人に話を聞いた。4月23日にはジュリア・ギラード豪首相も外国首脳として初めて同町を訪問した。そして昨日、天皇皇后両陛下が南三陸町に行幸され、被災者を見舞われた。
そう、共通項は「南三陸訪問」だ。
何が言いたいのか、
私は一介のフリーライター、影響力などまったく持たないが、自分が南三陸で見聞きしたことを拙い文章で豪州の日本人コミュニティには伝えられる。写真や映像ならば周りの豪州人にも伝えられる。大震災への関心を引き止めるためには多少なりとも力になれたかなとの自負はある。
ギラード首相の訪問には、当然多くの豪メディアが同行した。
ここ数週間は、日本の震災関連の露出が激減していたこの国のメディアで久々に日本の被災地の現状が伝えられた。ギラード首相の今回の訪問は、急激に関心が薄れつつあった豪州の世論の関心を少しでも引き戻せたのであれば、その意味は大きい。
そして、天皇皇后両陛下。
お二人が被災地入りすることの影響はとてつもなく大きい。どれだけの被災者が、その行為にそしてお言葉に勇気付けられるだろうか。当然、海外メディアも取り上げる。特に、原発関連にヒステリックな外国マスコミは5月11日に予定される両陛下の福島ご訪問をどう語るのだろうか。身をもって風評被害を跳ね返す両陛下の態度にひたすら頭が下がる。
それぞれの影響力で、被災地の有り様を伝える。そして、それぞれのできることで被災地の力になる。
私の場合はそれが記事であり、J-Reliefである。ギラード首相のそれは、レアアースや天然ガスの安定供給の約束であり、自らの態度で豪州が日本の被災者と共にあることを示す行為。
天皇皇后両陛下の場合は、毎日の復興への祈り、そして今回の被災者への激励だ。
一人でも多くの人が、それぞれの立場で出来ることをやる、それぞれの立場で被災地の現況を伝える、その繰り返しが復興の歩みを速めることはいうまでもない。
天皇皇后両陛下の南三陸町へのご訪問のニュースを見て、つらつら思ったことである。
アルベルト
12/5 改題の上で、一部修正。
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