今日、6月25日は1945年6月25日に大本営が沖縄での組織的な戦闘の終結を発表した日。
この後、終戦後まで散発的な抗戦は続くものの、この日で大本営は沖縄を「見捨てた」という意味で非常に象徴的な日である。
今日という一日、一瞬でも構わないので、当時の沖縄の海軍最高指揮官であった大田実中将が訣別電の中に残した「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」の有名な一文を思い起して、激戦に散った沖縄の人々や日本の軍人達に思いを馳せ、今の沖縄の有り様を考えてみる機会を持つことをお勧めしたい。
沖縄の痛みは、日本の痛みのはずなのだが・・・・戦後の政府は、死出の間際での将軍の強い思いを無下にし続けてきただけではなく、沖縄の人々の思いを踏みにじってきた。
10歳で沖縄戦を迎えた人々も77歳、喜寿を迎える。実際に銃を手に戦った人は、軒並み90代を迎えようとしている。実体験者に目に見えた形で報いていくには、残された時間はあまりに少ない。
67年目の夏、そろそろ国民全部が沖縄の痛みを軽減できるよう意識し、行動していくことが必要なのでないだろうか。
昨年の大震災で、特に若い日本人に“絆’なる意識が芽生えたのであれば、戦後67年苦しみ続けた沖縄への思いこそ、その“絆”の中に組み込む必要がある。
沖縄と琉球諸島の島々は、硫黄島と並んで、本土で過酷な地上戦を経験した。戦争の爪あとは、我々が想像する以上に、深く癒えない傷として残っている。沖縄戦の終結したこの日、イデオロギーを超越したところでの沖縄戦への理解を深めることが、少しでもその癒えない傷を軽減する力になるのであれば、少しは、ほんの少しは沖縄の戦陣に散った人々への手向けとなるであろう。